混合ワクチン、つまり病気を予防するための予防接種です。
人間も病気を予防するために予防接種をするように、犬も定期的にワクチンを接種しなければいけません。
犬がかかりやすい様々な感染症に対する抵抗力をつけるために、いくつかのワクチンを打つのですが、数種類ずつに混合し、感染症にまとめて効果があるようにしているのが混合ワクチンです。
混合ワクチンにはワクチンが何種類か混ざっているのですが、必要なワクチンは住んでいる環境やライフスタイルなどによっても左右されます。
都会に住んでいる犬と郊外で住んでいる犬では、自然環境や接してくる生き物が全く異なるため必要な種類も変わってきます。
通常は少ないところで5種類、多いところで9種類と、地域や獣医の考え方によっても変わってきますので、疑問があるときには獣医に確認しましょう。
混合ワクチンで予防できる主な病気
それでは、混合ワクチンを打つことで予防できる病気の種類です。
成犬になると通常は、1回の摂取で1年間有効とされていますが、もうちょっと短い期間で効力がなくなるものもあれば、もう少し長い期間効力があるものがあるとされています。
ジステンバーウィルス感染症
感染症が強い犬の代表的な病気で、高熱や鼻水、目やにやくしゃみなどが出て元気がない状態が続いてしまいます。
発作や麻痺などの神経症状を起こすといったこともあり、症状が進むと衰弱死の可能性もあります。
特に子犬の中では最も死亡率が高い伝染病とされています。
パルボウィルス感染症
チリやほこり等に混ざって長く生存できる非常に強力なウィルスで、腸炎型と心筋炎型があります。
犬の元気がなくなり嘔吐や下痢などが見られるようになり、子犬がかかった場合、心臓に病変があってから数時間から数日で急死するなんてこともある怖い感染症と言われています。
伝染性肝炎
アデノウイルスⅠ型の感染によって起きる伝染病のこと。
重度の急性肝炎を起こすことで場合によっては死に至るなんてことも起こります。
子犬の場合はかかってしまうと一晩で突然死したり、発熱や嘔吐、下痢、扁桃腺の腫れといった症状を引き起こします。
アデノウイルス(Ⅱ型)感染症
せきやくしゃみ、扁桃腺などの呼吸器病を引き起こします。
この病気によって死ぬといった事はありませんが、複合感染や二次感染によって重い症状を起こし、肺炎を悪化させると死に至ることも考えられます。
パラインフルエンザウィルス感染症
単独では大きな症状は引き起こさないとされているのですが、他のウィルスや細菌と混合感染することで気管支炎や肺炎といった呼吸器官系の疾患を引き起こします。
病気の犬との接触であったり空気感染によって感染しやすく、伝染力が非常に強いウィルスのひとつです。
コロナウィルス感染症
コロナウィルスは感染した犬の便や嘔吐物に口や鼻が触れることによって感染します。
体内に入って小腸で増殖することで胃腸炎を引き起こします。
子犬の場合は嘔吐と下痢を起こしやすくなります。
レプトスピラ感染症
黄疸出血型、カニコーラ型、ヘブドマティス型の3種類の型を持つこの感染症は犬だけではなく他の動物や人にも感染する人畜共通感染症です。
黄疸のほかに嘔吐や下痢、歯茎からの出血、血便などが起こり高熱や食欲不振、結膜の充血を引き起こすといった症状があります。
子犬の混合ワクチンの接種の時期は?
新しいおうちにやってきた子犬は、1週間ほど家で様子を見た後、元気であれば混合ワクチンを打ってもらいます。
ペットショップやブリーダーで購入した際は、ワクチンの接種歴を確認しておきましょう。
家に来てから元気な子犬であれば、混合ワクチンを「一度も接種していない」もしくは「接種してから1ヵ月以上」経っていれば、1週間ほど家で様子を見た後に診察をしてもらい、ワクチン接種してもらいましょう。
混合ワクチンをすでに一ヵ月以内に接種しているようであれば、同じく家で1週間ほど様子を見た後、前回の接種から1ヵ月後にあたる時に連れて行き診察・接種してもらいましょう。
家に来てから元気がない子犬であれば、1週間待たず早めに獣医師に相談しましょう。
ワクチンの接種の回数は?
子犬のワクチン接種は、病気に対する母子免疫が切れるタイミングがそれぞれ異なるので、ワクチンが効力を発揮するタイミングも変わってきます。
また当然個体差があるので必ずしも2回で良いとか3回なら安心とも言い切れません。
どちらにしても最終ワクチンは生後3ヶ月以降にうつ事が通常のようです。
万全を期すのであれば生後4ヶ月前後にもう一度うつことを勧める獣医さんもいます。
最終ワクチンを打ってから1年間がその効力を発揮する期間になります。
成犬になってからは1年ごとにワクチン接種を受けるのが基本です。
最後に
意外とわかりにくく、漫然と打っているであろう混合ワクチンについてまとめてみました。
どういった混合ワクチンが必要なのかは、住んでいる環境やライフスタイルなどによっても左右されます、必要な種類も変わってきます。
基本は成犬になってからは1年に1回ですが、どの混合ワクチンを打つ必要があるのかはかかりつけの獣医師と相談して行いましょう。